ADACHIKU RHAPSODY

東京に越してきて初めて住んだのは足立区にある五反野という所だった。

 

人に住所を教える時、語感が似ていることでよく五反田と間違えられていたのが懐かしい。

でも似ているのは語感だけで、街の賑わいは全くといっていいほど違った。

 

北千住駅から東武スカイツリーラインで二駅。

間にあるのは年に一回、荒川花火大会の時にだけ活躍し、足立区の住民がその存在を再確認する駅、小菅。

3年B組金八先生」で見たことあるような土手の景色が広がっていて、週末には少年野球やサイクリングを楽しむ人達で賑わっている。

 

五反野駅の周りには、マクドナルドや日高屋、和民にオリジン弁当といったお決まりのチェーン展が軒を連ねている。

高架下にはサンマルクカフェと新刊の本屋があって、アルバイト帰りや休みの日にふらっと立ち寄るのが日課だった。

 

実家を離れて初めて、スーパーが近くにあることの便利さを知った。

西友、サミット、マルエツプチ、ビッグエー、その時々の欲しいものによって行く場所を変える、なんて当たり前のことをちゃんと意識した26歳。4年前。

 

ちなみに北千住駅から急行で一駅、小菅も五反野も、すっ飛ばして着くところが西新井駅

都心のベッドタウンとして以前は開発が進んでいたらしく、2007年の景気が良かった頃に建てた複合商業施設「Ario西新井」の存在が一際大きい。

中にはTOHOシネマズもあり、足立区の高校生にはうってつけのデートスポットになっていた。(個人的には大作映画の公開初日でも座席に余裕がある穴場スポット)

しかも当時、西新井の都市開発事業の宣伝大使として、ハリウッドスターのレオナルド・ディカプリオが務めていて、CMでは「ニシアライ〜」と声高らかにレオ様スマイルを振りまいていたから驚く。(竹ノ塚に住む知り合いから教えてもらった)

 

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地元の商店街も活気があった。

よくあるパターンだと大型商業施設が駅近に建てられた地域は、高齢化も相まってどんどん廃れていってしまうものだけど、西新井の商店街はどこも開店していて、かつ客を呼びこむ声が飛び交う元気な場所だった。

歩いていて楽しかったな。

 

 

年末年始には西新井大師に出かけて参拝をした。深夜だというのに駅から寺までの道、人が途絶えることなく歩いている光景が未だに忘れられない。

 

人混みは苦手だけれど、祭りの会場までの道のりとか、映画館のエントランスとか、特定の雰囲気を暖かな気持ちで共有している時間や空間は好きだ。