ギターと思い出と日々

ギターを練習して10日経った。

 

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YAMAHAアコースティックギター

古本屋で働いている時に、店長が市場で仕入れたものを交渉して安く譲ってもらった。

去年の夏頃だったか、初めこそ触ったり眺めたりしていたが、気がつけば部屋の隅に追いやられカバーに包んだままになっていた。

 

ある日、なんとなしにカバーから取り出してポロンポロン鳴らしてみた。

チューニングされていない弦は、てんでバラバラで気持ちのいい音ではなかった。でもその鳴らしている時間が心地よかった。

 

 

思い出せば中学生の頃、担当の教員がクラシックギターを持っていて時々弾いているのを見ていたのが最初の体験だった。

何度も見ているうちに自分でも弾いてみたいと思うようになり、教員にその話をすると、「使わなくなったギターがあるからやるよ」と言われ、かなり年季がかったオンボロのクラシックギターを貰った。

家に持ち帰って早速指で弾いてみるも、聴いていたように音が鳴らない。見よう見まねでコードを押さえようとしても指が痛くて全然出来なかった。

当時は分からなかったけど、クラシックギターアコースティックギターよりもネック(コードを押さえる部分)が太く、その時張ってあった弦も硬いものだったので余計に初心者の自分からすればとっつきにくかったのかもしれない。

だから長くは続かなかった。

時々ジャガジャガやったりして、(ギターを弾いている)という雰囲気を味わっているだけに終始していた。

 

 

それから高校生になり、ある時思い出したようにまたそのギターを引っ張り出してきた。

もうすっかりやらなくなっていたので埃かぶって弦も錆びていた。だから楽器屋で新しい弦を買って張り替えた。ついでに初心者用のコードが載ってる本をいくつか買った。

はっきりした理由はもう定かじゃないけど、なぜかその時は中学生の頃のリベンジだ!の如くやる気に満ちていた。

学校から帰ってきては毎日のように練習していた。どの教則本にもだいたい載っている福山雅治の「桜坂」やブルーハーツの「リンダリンダ」、尾崎豊の「I LOVE YOU」なんかを。

しかし一向に上達しない。指のタコはできて皮膚が硬くなっているのに、Fの壁は勿論、コード進行がおぼつかずに、ただ単音をポロン、ポロンと鳴らしているだけだった。

 

今にして思えばやり方が悪かった(ムキになって同じことばかり繰り返して疲れてた)のだと気付くのだけど、当時はやってもやっても上達しない状態に嫌気がさし、「俺才能ないんだ〜」なんてことでまたしてもやめてしまった。

その後大学受験をするタイミングで絵を描くことに意識が移行するのだけど、その話はまたいつかしっかり書きたい。

 

 

まあそんなわけで、初歩も初歩の段階で今までやめてきた自分が今回もまたギターに毎日触っている。

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相変わらずコード進行はまだスムーズに鳴らせず、Fの部分になると音が一瞬止まってしまうし歪む。指も痛い。

でもなんだか楽しい。気負わずに毎日続けていることが、生活を以前とは違う彩りにしているように感じられて嬉しい。中学生、高校生の頃には感じることができなかった気持ち。

 

あとついでに発見だったのは、簡単コード曲で調べていた時に見つけた三つの曲。

 

アンパンマンマーチ」ドリーミング

「家族の風景」ハナレグミ

上を向いて歩こう坂本九

 

どれも今更ってな感じなんだけど、あらためて聴くとよくて。

 

"時は はやく すぎる 光る 星は 消える だから君はいくんだ ほほえんで"

"なにが君のしあわせ なにをしてよろこぶ わからないままおわる そんなのはいやだ!"

アンパンマンマーチ」より

 

"何を見つめてきて 何と別れたんだろう 語ることもなく そっと笑うんだよ"

「家族の風景」より

 

上を向いて歩こう」は、涙がこぼれないように上を向いて歩く1人ぽっちの夜って場面は少しセンチなんだけど、間奏に吹く口笛がそれを軽く笑いにしてる感がよくて。

 

そうやって自分でやって自分で癒されてりゃ世話ねえな、て話なんだけど。まあなんかしみじみ良いなと思って。

 

そういうことで、とりあえず今の目標は一カ月経つ頃には一曲でもスムーズに弾けるようになることで、地道に続けていきます。