ぱーと2

こんにちはこんばんは。近藤です。

 

おとといのつづき。

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連絡交換をした後の日々は、まるで別世界のように輝いた。

キラキラ、そして爛々と。

たどたどしいやりとり「季節はどれが一番好きですか?」「食べ物何が好きですか?」「好きな色…『ぜんぶおまえだよっ!!』なんて送りはしなかったけど、そうした何気ない会話で満たされていた。

 バイト終わりにもすぐ携帯をチェックし、今では考えられないけど即レスは当然で、受信したメールは全て保存していた。


そんなある日、彼女の家に遊びに行けることになった。

なんでもその日は両親が不在で、家でゆっくり過ごせるよー。とのこと、、

突然の吉報に「sフォエ宇治rlうhzjks」平静を保っていられない、感情の波が押し寄せる。

そりゃもうこれ以上ないシチュエーションで、まだ一度もデートはおろか手を繋いだことすらなかったのに家だなんて。(やっぱりギャルは違うな、)なんてことを噛み締めながら二つ返事で約束をした。

 

ふくらませていた。期待を。

”不在の両親” ”二人きりの部屋” ”ギャル” 条件はすべて揃っていた。踊ろう、家で。

しかし当日待ち合わせの場所にいたのは彼女、彼女の親友、そして彼女の姉夫婦の子ども(2歳の男の子)の三人だった。

 

 

彼女の部屋に四人、彼女は親友と楽しげに喋っている。

姉夫婦の子どもは玩具で一人遊び。

存在感を最小限にしながらも口角を少し上げ「僕も楽しんでますよ」の雰囲気を忘れず、部屋の真ん中に体育座りしているのは自分だった。

なんでだろうなんでだろう。数年前の流行歌、テツとトモが踊ってた。

 

なんでも、直前になり不安になって、加えて緊張もするから親友を呼んだそう。

子どもは、姉夫婦がたまたまその時実家に帰ってきたらしく、出掛けるからその間預かっておいてほしいとのことで一緒にいたそうだ。

謎は解けても迷子のままに時間は過ぎる。

途中途中にその親友がアシストを決め込んでくるが、童貞の守備は固く、それがかえって気まずい空気になるという事態も起こった。

 

 

夕方になり「せっかくだからさ、写真撮ろうよ写真!」と親友が最後のパスを投げた。

ぎこちないままソファににもたれかかる二人。

不自然に空く距離にやきもきし、「ほら、付き合ってんだからもっとくっつきなよ!」と言ってギュッと二人の肩を押す。

ぎこちなく寄り合ってピース、相手の表情を見る余裕はなく、ただその肩に触れる匂いだけを感じていた。

 

「じゃあまたね。」

 彼女の家を背に、夕日ってこんなにあったかいんだと知る。そのあとは覚えていない。

 

 

 

ある日バイト終わり、胃痛のメールが届く。

 

ーー近藤くん。ごめんね。わたしがわがままな性格だから色々期待し過ぎて、、近藤くんは良い人だから気にしなくていいんだよ、悪くないんだよ。私が自分勝手で振り回しちゃって、、だからごめんね。ごめんね。さよなら。

 

瞬間に「ああこれは終わりです」と思った。すぐに返信したが返信来ず。

 

何もないままあっけなく、およそ一ヶ月間のギャル。

それから学校ですれ違うことはあれど、お互い一切声をかけないまま卒業した。

 

 

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今にして思うとほんとなんでもないまま終わったというか、むしろ始まってもいなかったことを大げさに書きすぎなんだけど。

一応自分の中では"付き合った人"にカウントさせてもらっているので、今でも彼女には感謝しています。(どんなオチだ)