おめでとう

 

ギターの弦を、つまびく音が聴こえる午後に

いま僕は外を眺めている。

リズムのない

メロディーもない

そんな何かを求めているのかもしれない。

いつか話したことを、後悔しているのかもしれない。

 

歩いて歩いて、歩いて歩いた。

粉々になった枯葉が足元に転がっていた。

夜のような夕方に急かされているような気がしていた。

昨日の晩に食べたものを思い出せないままに、今日の晩の支度をする。

遠くの予定も近くの約束もなかったことのように。

いつかの夢も、また会う日まで。

 

時が進んで陽が暮れて、日がめくられたら年は明け。

おめでとうございます。

ありがとうございます。

みなさん、調子はどうですか。 

 

この頃の風の強さにはほとほと参ってしまうけれど

合わせて冷たい空気が身体を冷やしていくけれど

マスクの隙間から漏れる蒸気、内側に付く微かな水滴。

今年も、いい年にしましょう。