いいことばちょうだい

こんにちはこんばんは。

 

寒いです。とても、

ヒートテックを着て暖房をつけ、膝掛けをしているのに寒い。

なんとかしてくれ冷え性。爽やかすぎる朝よどうか、支度して家を出るまでは温かい態度で見守っていてくれませんか。おねがいします。

 

近藤です。

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Mr.Childrenの新しいアルバム『SOUNDTRACKS』を買って聴いた。

ここ数年、桜井さんの死生観やバンドの肉体性が主にテーマとしてあり、いつかやってくる”終わり”を見据えて、着実に歩みを進めている感じがある。それに加えて、年々確実に衰えていくボーカリストとしての体力を相当強く意識しているらしく(インタビュー記事から)、改めて日々ボイストレーニングに取り組んでいるそう。

しかもその話で感動したのが、自身の代表曲であるinnocent worldを一節一節分解し、トレーナー指示のもと、今の声帯になるべく負担がかからないような歌い方を練習しているということで。ライブでは大定番だし、20年以上歌い続けてきた曲を、これからのパフォーマンスを想定して課題曲として置き直し、「自分で作っておきながらこの曲難しいんですよ。」と苦笑いしながら語っていて(小貫信昭著 Mr.Children〜道標の歌〜より)。なんかそういう"欲望"と常に対峙し続ける人の姿って、やっぱ魅了される。

ポップでキャッチーでボーイミーツガール、ストリングスや鍵盤のアレンジ、熱量高めの歌唱、どれもこれも欲望のかたち。時に祝福を、時に葛藤や困難を。人の感情や、バンドという共同体の姿を物語し続けてくれる限り、並走していきたい。

 

 

 

 2020

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そりゃ一年もあれば色々なことが浮き沈みするし、その間の感情や行動に一貫性がなくたって全然不思議じゃないしおかしくもない。だから

誰かに媚を売っていいし、権力に尾を振ったっていい。売れ筋を狙ったものを発表したって、羨んでる人の真似をしたっていい。ブレたっていい、焦っても迷ってもいい。

それでダサいって思われたりすることもあるだろうし、失敗が思いの外大きくてしばらく立ち直れなくなるかもしれない。仲間から急に蚊帳の外にされることも、信頼を損なうことも道を踏み外してしまうことも。でも、そういうのが人の芸や術を形成するわけで、その歪さが運よく重なり合った時に共感の喜びがあったりもするのだから、何もかもを肯定というわけじゃないけど、負を省かないでほしい。指標はいつでも自分。

 

そもそも
清く正しく美しくが芸術の魂を作るだなんて、耐え忍ぶこと信じることが唯一の美徳だなんて、そんなことばかりを言ってきたから、どこにも行けず何にもなれず諦めていった人が沢山いる世界なわけで。たとえ汚く間違っていても醜くても、それでしか作れない人もいる。正攻法が見えず、陰口を叩かれながらでしか這い上がれない人だっている。

俺達私達の美学はこれでいいんだ、信じる道をただひたすらに愚直に進めばいいんだなんて互いに集まっては一瞬作用する精神安定剤を打ち合って、分かりやすい仮想敵に向けての共同戦線。そんなことで繰り返してきたこの数十年が今の地盤を硬く、分かち難くしているのに。先行世代の不安が、少なからず今の世代の不安や迷いを作ってる。それなのに「大丈夫」だなんて中身のない魔法の言葉はいらない。大丈夫じゃないからこそ想像できることが人の可能性で、それを自戒の念も込めて書いておく。クリスマス。