こんにちはこんばんは。近藤です。
こうして家の中にいる日々が続くと、さして話題もなく、だとすると書いていて気持ちがいいのは過去の思い出話だったりして。
ということで今日は、6年前の2014年に静岡県御殿場市で行われた『御殿場アートクラフト』というイベントに参加した際にやったパフォーマンスについて書きます。
そのキャラクターの名前は「キッチューマウス(Kitsch mouse) 」
”低俗”や”まがいもの”を意味するドイツ語「Kitsch」に夢の国のアイツを掛け合わせた名前。
(口に付けたやつは蛇足だなとおもい途中からサングラスだけに)
昔どっかの展示場の倉庫に落ちてたジョークグッズを拾ったまま家に置いてあって、それをなんかの折に顔に付けて「ははっ」とあのおなじみの甲高い笑い声を再現したのがきっかけだった。少し陽気で少し皮肉めいた事をつぶやく、そういう設定。
大学4年生のころは絵を描くよりも、その周りというのか、なにが絵画たり得るのかみたいなことを小難しく考えようとしていた。画集を眺めているよりも美術評論や社会学、哲学や論文こそが作品に必要な要素だと思ってた。試みを色々やりたい時期だった。
それで何故こうなのか、その接続は今考えても謎なんだけれど、ひとつだけ言えるのは「キッチュ」って言葉に当時とても魅力を感じていたこと。
静岡には「幻触」という美術集団がいるんだけど、それが芸術の文脈のなかでは「もの派」の存在と密に関わっていたってことが近年になって見直されて。
その橋渡し役の一人として石子順造っていう批評家がいて、おもに漫画などの当時のサブカルを批評する人なんだけど、その石子がよく自身の本のなかで取り上げていた言葉が「キッチュ」で。
石子は絵馬だとか銭湯に描いてある富士の絵とか、そういう市井の、俗のなかから生まれるものを指して使っていたんだけど、その眼差しが自分の好みの方向と合致していたのかもしれない。
あっちが皆から愛される魔法のキャラクターであるなら、こちらはゴミのジョークグッズつけただけの低俗なマネごと。
というような、ひん曲がったカッコつけしいの自己承認欲求に過ぎなかったのかもだけど、とにもかくにもかなり前置きが長くなってしまったけれど、その御殿場で行われたイベントに参加した際は会期中の二日間ずっとこのキャラクターになって会場中を走り回っていた。
子供には結構ウケがよくて、追いかけ回されたり、「なんでこんなことしてるのー」とか「ひげ生えてるじゃん」とか言われながらもいい調子だった。
学校のクラブ活動かなんかで集団参加していた中学生や高校生なんかにもアタックしてみて、最初こそ怪訝な顔されたり苦笑いだったんだけど、次第に笑ってくれるようになって最後には全員で記念写真撮ったりしてた。
問題は大人だった。
まったく反応されない、どころか冷ややかだった。
そりゃそうだ、いきなり20そこらのやつが気持ち悪い声してハイテンションでからんできたら嫌な気持ちになるのは当たり前で。今同じことを自分がされたら完全無視をきめこむだろう。
一緒にイベントに参加していた友達が会場で走り回ってた自分の写真をいくつか撮ってくれていたので、あとの説明はその写真をみながら書きたいと思う。
誰も近づいて欲しくないよな、こんな汚い格好のやつに。
ポケットに入ってるのは息吹くとピューってなるおもちゃ。
小学生に追いかけられてるとき
逆に追いかけてるところ
アスレチック好きだから遊んでたんだけど、はじめのうちは誰も近寄ってこなかった。
無邪気に。
会場の中心部に小さなステージがあって、そこで定期的に音楽ライブとかやってたんだけど、ちょうど昼休み時で誰も使ってなかったからそこではしゃいでた。
誰もみてない
ちょっとこうしてふりかえってみると自分で言葉を失ってしまうけど、まいいや。