愛さずにはいられない

こんにちはこんばんは。

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12月になってしまいました。

もうすぐ2020の表記が終わってしまう。

この綺麗な数字の並びがあるうちに個展やりたいのだけど、もう残り一ヶ月。

野球で言うなら9回裏2OUTで逆転ホームラン打てるかどうかって感じか。

この自分をどこかに放り投げて、また違うどこかに着地させてくれる人がいないだろうか。他人様から必要とされないと動きようがないなとか考えていたら、そもそも自分が根本的に他人様を必要としていないんだってことに辿り着いてしまって慌てて進んできたマスを巻き戻ってみる。でも回想してみても、どの時点でも自分が他人様に興味を抱いたことなどなく、そもそもが薄っぺらい表面的なやりとりを認めてやり過ごしていた自分だけがいた。なんでだろう。中高と引きこもっていて人と接することが全くなかった期間が長かったからだろうか。なんでだろう。弟との不和によって起こった様々な精神のねじれが引き起こしたのかもしれない。一時、高校生の頃不登校だった時に通った病院で、よくある心理実験をやった記憶がある。それは、一片が50センチほどの正方形の中に砂がまかれてあって、そこに用意されたミニチュアの山や遊具や人などをジオラマのように配置するというものだった。その置き方、何を選択してどう物語を構築するのかによって、その人自身の内なる精神状態を読み取るというものだった。それが”箱庭療法”という名であることはずっと後に知ることになる。その結果がどんなのだったかはもう覚えていないけど、その経験から臨床心理学や社会心理学発達心理学等に興味をもちはじめる。いくつか本をよんだりもしたけど学術的なことは今だにさっぱりとんちんかんで身にはならず、でもユングフロイトとかの入門人の面白さに当時は夢中だったなあ。大学生の頃に企画したグループ展「無意識の行方」なんてまさに、心理学から影響されて付けたもの。卒展では顔のフロッタージュやったりもしたし、その興味の幅が増えてどんどん派生して、錯視効果やイリュージョンを取り入れたものも好きになった。でも自分で描くものは、そんな別角度から見ると違う絵に見えるとか、モチーフ一つ一つに諺がしかけられているとか技法的なことはやっていなくて、もっと単純。なんかでもトロンプルイユは気持ちの中で意識したりもする。面白い。高松次郎の影シリーズを初めて知った時は衝撃的だったな。タイガー立石もいけてるし、中村宏の絵画もめちゃかっこいい。静岡に住んでいて良かったことの一つに”幻触”っていう芸術集団の存在を知れたのは大きかったなあ。それに続いて石子順造も。いい。

と、だいたい文章にしても何でも行き先を決めずに出かけることが多い。なんとなくの勘で歩きながら行き先を決めていくけど、そこに至るまでがもたもたしてしまう。

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そういえば沖縄行ってきた。初飛行機。

高所恐怖症で、離陸どんなもんだろうと不安だったけど、いざ乗って動き出してしまえばなんのことはなく、みるみるうちに高度は上がって雲を超えて今までいた場所の地形が手に取るような大きさにまでなって、空と海の交わる地平線には真っ白い光が差し込んでいてしばらく見とれていた。大海原の上、風もなく静寂の海面を眺めているとまるで時間までが止まってしまって、この宙に浮かんでいる状態がなんとも不思議な感じに思えた。離陸時のあのアホみたいなスピード感、ただ速度を上げ続ければ空を飛べてしまうようにも感じるあの錯覚感は独特。ルートビアも独特味だった。国際通りはドンキみたいな色彩祭りでどこもかしこもシーサーがお出迎えしていた。紫の焼き芋が売り切れで食べられなかったのが心残り。近くにある第一牧志公設市場の方が好きだった。アーケードのある商店街から商店街へ、どこの道を抜けてもまた違う属性の商店街へと連なっていてまるで迷路、でもそれが楽しい。チェーン店の連なりと個人商店の連なりでは圧倒的なワクワクの差がある。そこを利用するしないに関わらず醸し出す匂いが違うから歩いてるだけで楽しい。猫が多い。猫が多い町は治安が良いってどこかのなにかで見た覚えがあって、なるほどなーと思いながら沖縄を過ごす。帰る。

文芸誌の「新潮」に連載している人で好きな人がいて、毎回その人の文章を読んでいると、こうして句読点でつらつら書いていてもいいんだという気持ちになる。読む人に分かりやすく伝わりやすくだけではなく、自分の言葉なのだから自分から出たままに書くのもまた、ある意味では伝わることも分かってもらうこともあるということ。自然に。

 

写真フォルダーを眺めているときの一種の安心感と一種の虚しさが同居する時間。印象的な写真と写真との間にある空白の期間。夜の暗がりでブルーライトに照らされながら死んだような魚の眼を機械的に動かす。

そして水を飲む。

寝る前には必ずコップ6分目くらいの水を一気に飲んでから布団に入る。それが健康にいいのかどうか、以前テレビでやっていたのを見たような、自分の中では験担ぎのようなもの。

そしてきっと、朝にも同じくらいの量の水を喉に流している。