木彫りのレリーフ

三年四組 近藤大輔

 

僕は自由表現にこの木彫りをやりました。

この木彫りを選んだ理由は、僕は将来建築設計の仕事につくのが夢で、そのためにデザインの勉強になると思い木彫りにしました。それに身近に木彫りを趣味にしてる人がいて、その人に木彫りを教えてもらいました。夏休み中毎日のように木彫りを教えてもらい、五時間以上は毎日やりました。彫刻刀の使い方から、彫り方まで教えてもらい何個も練習のために、字を彫ったり、一つ目の作品の「ひいらぎの皿」を何回も失敗しながらやりました。しまいには、手がふるえ彫刻刀が持てなくなった時もありました。でもそこであきらめずに彫り、やっと一つ目の作品ができました。

 

一つ目の作品は、まず表は外から真ん中に向かって彫って裏は逆に真ん中から外に向かって掘り進めました。そうして、だんだん皿のような形にしました。皿の形ができたところで次に取りかかったのは、ひいらぎの実の方です。実は丸いので、平刀などを使って細かく慎重に彫りました。気をぬいてやるとまちがえて茎から実を切り落としてしまう可能性があるので大変でした。最後に茶色の絵の具を何度も塗って、より深みのある色にしようとして黒を混ぜたり調整をして色を塗り、「ひいらぎの皿」が完成しました。この作品は自分で葉のデザインを考えて、その通りに完成する事ができました。

 

二つ目の作品は、一つ目の作品より難しく時間もかかり大変でした。小さい葉と、実があり、その一つ一つを同じように彫らないといけませんでした。厚さもあって深く彫るだけでも時間はかかって本当にできるんだろうかと思いました。けどここで努力しないといけないと思って、やり通しました。一つ目の作品も細かい事はあったけれど、この作品はすべてが細かくてすぐに深くけずりすぎて、葉の一部がかけてしまったりするので、完成した時はすごく嬉しかったです。

 

この木彫りをやる事で、僕は高校生活で生かしたい事があります。それは、建築士になるためには、技術面と数学を勉強する事が大切だと思っています。木彫りだと、デザインをかく、その通りに物をつくりあげる事しかできないので、他の組み立てる、設計を書くと言った事も、しっかり学びたいです。より本格的な機械を使っての授業はとても興味があり、ぜひ入ったらやりたいと思います。さらに自分で作った作品で賞をとりたいとも思います。美術でも、木彫りでやった事を忘れずに彫刻刀を使ってどんどん難しい物にチャレンジしていき、美しい作品を数多く作りたいと思います。

 

将来の夢が建築士なので、木彫りをやれば少しはその夢に近づけると思いました。なぜかと言うと、木彫りには技術の要素があるからです。木を彫って作品にするというのは、どこか建築士につながる事があって、それも理由で選びました。

建築士という職業は、僕が思うには人に夢を与える事ができ、その夢を実現させてあげられる素晴らしい職業だと思います。住む人の要望を聞いてその通りの家を建てて喜んでもらえる最高の仕事だと思います。僕が目指したいのは建築士の中でもトップの一級建築士です。二級建築士だと、県内しかうけもつ事ができないので、日本全国から仕事がくる一級建築士になりたいと思いました。技術面を上げるため木彫りを選び、前の自分よりは技術、または美術の力がついたと思います。また、建築士は設計図を書いたりするので、数学の力も必要不可欠だと僕は思います。だから日々数学の勉強をしたいと思います。

 

僕が中央高校に入りたいと思ったのは、高校の校風が生徒の個性を生かすことで、その事にまず興味を持ちました。自由に授業を選び、私服で登校してもいいし、先生や、授業をうける時間帯まで自分で選ぶ事ができて、とても生徒の個性を大事にしている高校なんだと知りました。ただその自由と言うのは、自分で選んだのだから最後までやるという責任がつきものです。今までは、親や、先生が決めた通りに動いてきただけですが、高校生ともなると、誰も責任はとってくれません。選ぶのは自分で、実行するのも自分だからです。中央高校はその責任ある自由というのを特に強めている高校だと僕は思いました。なので中学生の時に不登校だった僕は自分で決めた事に責任を持って取りくめる、そんな人間になりたくて中央高校を志願しました。

 

その他にも志願した理由はあります。

まず、いろんな分野の教科があり、その中に工業の教科があって将来建築士になりたい僕はそこに入って工業について勉強したいです。あと、中央高校は、途中で学校を辞めた人や、僕みたいに不登校生徒もいれば、高校に行かなくて就職した人が、高校を卒業した証明が欲しいという人もいて、年齢の差が広くて、そういう人たちと一緒に勉強をする事はいい事だと思います。なぜなら自分より年上の人の意見を聞けるし、いろんな人とコミュニケーションをとることができて、人と話したりするのが苦手な僕が変われるかもしれないと思ったからです。そうした生活が出来るのは僕にとってすごくうれしい事です。

 

自由表現で木彫りをやって高校では、技術をならって将来建築士になりたいです。木彫りはそのための第一歩だと僕は考えています。木彫りをやってある程度、技術の力とか、知識を身につけて、それをバネにして、高校ではさらに詳しくいろいろな知識または、体験をする事でより自分の夢に近づくと思います。そしてそれらの体験や経験を生かしながら、建築士への夢を目指していきたいです。だからこの木彫りは僕の夢へのスタートラインだと思って一生懸命やりました。そのおかげで満足できる作品が二つ出来てうれしかったです。

 

僕はこの木彫りを通して一生懸命何かをする事を学びました。周りの人にもささえてもらいながらできた作品です。これからも、この木彫りをやって学んだ事を忘れずに、自分の将来に生かしていきたいと思います。

 

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高校受験のために書いた400字詰め原稿用紙7枚分の文章。

いま見ると誤字脱字が多くて表現もなんだか拙く、文末はだいたい似たようなことを何度も言っているし、およそ中学3年生が書いたとは思えない出来なのだけど、当時はこの文章を暗記して、制作した木彫りのレリーフと共に「自由表現」という静岡県立中央高等学校特有の受験科目に臨んだ。

 

中学生時代はずっと不登校だったから勉強はおろか、他人に披露できるようなことが自分には何もなく、なので何か一つでも受験で提示できるものを得ようと親と話した結果、親戚に仏像彫刻を作っているおじさんがいたので、その人の家に通いつめて木彫りのレリーフを作るようになった。なったのだけど、まあまたその細かい経緯は別の機会に書くとして。

周り回ってそれが今のスタイロフォーム彫刻を制作する原点になっているので、今回こうして全文を掲載してみました。

 

延長に延長を重ね、来週の月曜日にweb shop掲載できるようにあくせく。

現在は台を付け終わって、これからそれぞれの彫刻の写真を撮ったり、サイズや素材などのデータ入力と、いつも添えているちょっとした文章を書いていく作業です。誰が、どれほど、読んでいるのか分からんけれど、これもいらないようで、続けてきてしまった以上、それをしなくなるのは自分に対して甘えのような気がするので、気合入れてやります。

ちゃんと事前告知もするのでお楽しみに。