ぐぬぬ、ぐぬぬ

なんだか天気がいいのに、風は強すぎず無風でもなくちょうどいいくらいなのに、自分の気分だけが部屋に閉じこもったままでお手上げの日がある。

そんな時は好きな音楽?好きなお菓子?好きなお店に出かけてみる?でもそのどれもがてんで効果なし。かくなるうえは絵を描こう!この気分を表現として昇華してしまえ!そうすればこちらのもんだと意気込むものの、スタートラインから足がでない。ぐぬぬ、ぐぬぬと表情だけはいぶし銀みたい。はてさてこりゃまいった、がいつの間にか口癖になっている。

 

困ったもんだが自分の性格、展示が続く日々。在廊して人を前にすると気分をハイにするためのギアを入れる。でもなるたけ観賞の邪魔にならないように静かにしていたい。でも在廊している以上は何かしらの案内を作家本人に求める人もいるだろうし、なんなら今日観に来てよかったーって思ってもらえたなら、それはそれで意味があったなと感じるし嬉しい。感情は複雑だけど、対面で接するってそういう瞬間がいくつもダイナミックに展開していく面白さがある。だからずっと考えている。

 

いつも在廊した日は歩いて家まで帰ってる。ギャラリーのある高円寺から一時間ほど。毎回道を変えているからたまに大幅に逸れていることもあるけど、それはそれで刺激があっていい。その日の在廊中の反省点を思い返しながら、顔を右に左に動かして辺りを見渡す。できるだけ面白そうな道に、道へ、あみだくじみたいに進む時間。

 

お尻が痛い、腰が痛い、首が痛い、言い出したらキリがない。ことはないだろうけど、そんなぐらいの気持ちってある。いつしか湿布のにおいにも慣れた。

 

突然に、進めていた企画の担当者が今月末をもって退職することを午前中のGmailで知る。他の人に引き継ぎはしてくれるものの、まだなにもかも途中だったから「えー!」とは正直思ったけど、一身上の都合ということで、まあそれなら仕方ないかとメールを返す。

しかし午後、ある嬉しい仕事依頼があり、一気にテンションが上がる。日中の暑さもなんのその、もっと頑張らねばと背筋を伸ばした。

 

展示も残すところあと二日。高円寺では明日から阿波踊りが開催される。