カメラちゃん

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写ルンです』で写真撮ってた時期がある。

5年くらい前か、散歩の道すがらカメラ屋の店先にセール品として吊るされてあるのが目に留まった。いつもだったら通り過ぎていた景色。だけどなぜかその時は「おーなつかしい」なんて思って手に取り、その勢いのまま買って帰った。

 

ちょうどInstagramが日本でのサービスを開始して1年くらい経った頃で、時を同じくして『写ルンです』が30周年を迎えたことも相まり、何度目かのフィルム写真ブームが起こっていた。

 

当時、そんな世間の流行りは露知らず、とりあえず何でも撮っていた。

暮らしてる部屋の適当な場所にレンズを向けたり、プロフィール画像に使おうと色んな角度で自分にフラッシュを焚いたり、空、川、街、他人、動物。近所を歩きながらあえて窓を覗かずにシャッターを押して、”アレ・ブレ・ボケ”を一人楽しんだりもした。

もちろんそんな真似っこ気分で撮ったものが森山大道みたいなかっこいい写真になっているはずもなく、ただの薄暗い灰色写真を量産する羽目になった。

 

毎回3〜4個使い終わってから現像しに店へ持っていったのだけど、何が写っているのか判然としないオナニー写真に2000〜3000円払っていた。それでも「量のない質はない」と、どっかで聞いたような言葉をぶら下げては同じような写真を撮っていた。

今思えば、楽しくやるにしてももう少し賢くやれよと思うが、大体そういうのってその瞬間には気がつけないもの。だから人生厄介。性格変更困難極まる。

 

一眼レフカメラ買うっていう選択肢もあまり湧かなくて。なんか、そこは”使い捨て”っていう言葉の響きが持つ責任感のなさが却って魅力的だったのかも。背負わなくていい、適当に扱ってもいいっていう。(ここだけ切り取ると最低ゴミクズ男のようです)

 

2019年6月から原材料価格の上昇や物流コストの高騰を受け、『写ルンです』の価格が30%値上げしてしまった。

それを境に買うことが億劫になり、めっきり使い捨てカメラで写真を撮ることはなくなってしまった。しかし撮っていた時期のデータが焼いてもらったCDにたくさんある。ならば使おう、絵ばっかりの投稿では単調で飽きられてしまう。これからは日常ぽい写真も投稿していこう!!

と、いうことで最近フィルム写真の投稿が多いンです。