ここは東京なのにひとりだね

窓辺の風鈴ちりんちりん。その向こうにみえるあおーい空に合成したみたいな雲が等間隔。つよい風びゅわびゅわ。カーテン代わりにしている薄い布ばさばさ。そんな暴れさせて一体どうするつもりんちりん。

やる気のおきない午後だし、ここは東京なのにひとりだね。

 

 

昨日、代官山ティーンズ・クリエイティブで行ったワークショップ「スタイロフォームでつくろうかたち」を終えて家に着いたら、なんだか一気に疲れが押し寄せてきて仰向けになってしばらく天井見つめてた。

 

施設の常連小学生や、わざわざ遠くから来てくれた親子、はたまた作品が好きで参加してくれた大学生カップルなど、思っていたより色んな人が参加してくれて嬉しかった。当初の想定では1人2人くらいしか来ないんじゃないかと思っていたけど、おかげさまで最初から最後まで気持ちはだれることなく取り組むことができた。

それぞれにつくりたいものがあり、それぞれの工具の使い方、スタイロの削り方があって、普段の自分のやり方と頭の中で比較しながら見ているとなんだか新鮮な気分だった。

 

帰り、オンにしてた気持ちを冷ますために渋谷まで歩いた。

上がったり下がったりしながら必ずどこかの道と繋がっている、ここらの土地特有のダイナミズムを感じながら人とすれ違う。歩くぶんにはおもしろいけど住みたくはないなあ、なんてことを思いながら夜の風、金曜日、道玄坂の賑わいを横目にしつつ駅まで急いだ。

 

あとは、

今週買った本「恐怖の正体 トラウマ・恐怖症からホラーまで」春日武彦 著 (中公新書)が、まだ読み始めたばかりだけどもうすでに面白い。変に時代に合わせた展開してなくて、かつ学術書みたいな硬い文章にしていないのもいい。

恐怖症=フォビアというと、原作 原克玄、作画 ゴトウユキコさんの漫画「フォビア」の最新話もおもしろかった。一話完結、毎回異なる恐怖症をテーマにして話が展開していくのだけど、ただ単に怖いだけじゃなく、そこに至るまでの人間のくだらなさとかもちゃんと差し込まれているのがいい。なによりゴトウさんの描く線が好きで、学生の頃にヴィレッジヴァンガードで買った「Rー中学生」以来、「ウシハル」「水色の部屋」など経歴を重ねても、その線の魅力が失われずにいるのがすごい。おぼつかない線、というのか、感情が宿っている線というのか、なんかそういうのに惹かれる。

そういう意味でいうと「ONE PIECE」初期の線も大好き。